2012/09/09

ソルトスプリング島へ行ってきました

久々の更新になりました。
前回のガリバルディレイク以降、こちらの企業に就職し、毎日慌ただしく過ごしていました。

さて、先週の金曜日からこの日曜まで、ミシガン在住の友達が休暇を取ってバンクーバーに遊びに来てくれていました。
せっかく友達が来ているのでどこかに出かけよう!ということで、以前から行きたかったソルトスプリング島に週末を利用して行ってきました。
私と夫は平日出勤、友達は日曜の朝早い飛行機でミシガンへ帰る、というスケジュールのため、時間の制約があり、今回の旅は金曜の夜にバンクーバーを出発、ソルトスプリング島で一泊し、マーケットでお買い物して、ランチを食べて、午後のフェリーで帰って来るという弾丸ツアーでした。
私たちは車を持っていないのであまり島の中をあちこち移動できませんでしたが、短い時間でもとても楽しく過ごせました。

ソルトスプリング島とは

ソルトスプリング島は、バンクーバーのあるカナダ本土と、ビクトリアのあるバンクーバー島の間にある島々(ガルフ諸島)の一つです。
人口はおよそ1万500人、そして夏期には島へ長期滞在する人たちが多いため人口が倍になると言われています。
この島は、年間を通して温暖な気候に恵まれ、漁業、有機農業や芸術の島として知られる一大観光地です。
同時に、とても興味深い歴史を持っている島でもあります。

ソルトスプリング島の歴史

元々ソルトスプリング島に住んでいたのはコースト・セイリッシュ族という先住民族でしたが、1780年代にヨーロッパから持ち込まれた疫病によってほとんどが絶えてしまったと言われています。
19世紀にはアメリカ人やイギリス人が移住を開始し、労働力としてハワイから出稼ぎに来て、そのまま移住する人も少なからずいたそうです。
1850年代後半には多くのアフリカンアメリカンが、人種差別から逃れるためにミズーリからカリフォルニアを経由し渡ってきましたが、その後多くが法改正などをきっかけにアメリカ合衆国へ戻ったそうです。現在では島に残っているアフリカンアメリカンの家庭は僅かだということです。
また、漁業や農業を営んでいた日系人も住んでいたという記録が残っているのですが、日本による真珠湾攻撃をきっかけに、カナダ内陸の収容所へ強制収容され、それ以降島へ戻ってくることはありませんでした。
1960年代、ベトナム戦争の時代には、反戦思想によって兵役拒否を行ったいわゆる「ドラフトドジャーズ」と呼ばれるアメリカ人が島へ逃れてきました。
彼らはこの島に当時アメリカ西海岸で流行していたヒッピー文化(オーガニック、マリファナ、LSD)を持ち込みました。
古くから多くのマイノリティを受け入れてきたという島の歴史に、このヒッピー文化が加わり、現在の芸術や農業中心のソルトスプリング島が作り上げられました。
今では島のあちこちにアーティストたちがアトリエを構え、オーガニックなライフスタイルに憧れて移住してきた人たちによって農場やレストラン、スパ、B&Bなどが営まれています。


名物 サタデーマーケット

春から夏にかけてソルトスプリング島で毎週土曜日に行われているサタデーマーケットには「make it, bake it, grow it」→ 自分たちで作ったものや育てたものを売ろう、というルールがあります。
島のあちこちからアーティストやファーマーなどが集まって、自分たちで作った工芸品、栽培した野菜、天然酵母のパン、オーガニックの手作り石けんなどが販売されています。


いざソルトスプリング島へ

1人$100程度払えば、水上飛行機でバンクーバーからソルトスプリング島へ30分で行けます。フェリーだともっと時間がかかりますが、1人$20しませんので、私たちはフェリーで行ってきました。
夜8時半発のフェリーに乗って、カフェテリアで夕日を眺めながら食事をして、島に到着したのは10時すぎでした。
フェリーを待っている間の1枚。

フェリーの中から眺めた夕陽

そこから地元のタクシーに乗ってホテルへ。チェックインの時に対応してくれたフロントマン(ゲイっぽいなーという雰囲気)曰く「島にはいろーんなアトリエや農場があるけど、ぜーんぶマーケットで買えるから大丈夫!」とのこと。このマーケットは島の観光の目玉のようです。
「朝ご飯は7時から食べれるからね!」と言われたので、ホテルのレストラン内にあるバーでローカルのワインを一杯だけ飲んで、部屋に戻って(なぜか)みんなでストレッチをした後、速攻で就寝しました。
宿泊したのは港が見える大きなバルコニーのついた部屋でしたので、朝にはきれいな朝焼けが見れました。
ホテルのバルコニーからみた朝焼け

バルコニーでハーブティーを飲んだ後はレストランのパティオで朝ご飯を食べました。
このホテルは農場も経営しており、レストランで出る食べ物はほとんど自分たちの農場で作ったものだそうです。
私が食べたのは Breakfast Bun というパンに目玉焼きを挟んだもの。
付け合わせのジャガイモはとっても美味しかったけど、食べきれずに残してしまいました。

朝焼けに照らされた朝食。とても美味しかったですが、ボリュームが多過ぎました。

マーケットへ



サタデーマーケットの様子
ホテルを早々にチェックアウトして、歩いてマーケットへ向かうと、朝9時前にもかかわらず既に大勢の人たちで賑わっていました。
ガイドブックなどを見ると「サタデーマーケットは午前中に行った方が良い」と書かれているのが納得です。
マーケットのすぐ裏の公園では楽しそうに楽器を演奏する人たちがいたり、ヨガをしている人たちがいたり、芝生でゴロゴロしている人たちがいたりと自由に過ごしていました。

公園でマリンバを演奏する人たち

マーケットでローストしたてのパプリカをいただきました
あるファーマーのお店では、その場でローストしたパプリカを売っていました。
写真を撮っていなかったのですが、ちょっと変わった機械を使ってローストしていました。
このパプリカをローストする技術を習得するにはかなりの年数の修行が必要なそうで、私たちが食べたものをローストした人はもう10年以上経験を積んでいるとか。。。
赤いのは甘く、緑色のものは辛く、いずれもジューシーでとっても美味しかったです。
このペッパーの他、オーガニックの石けん、バスソルト、チャイ用のスパイスミックスなどを購入したり、ランチにパスタを食べたり、芝生でゴロゴロしたりと楽しく過ごしました。

偶然ですがプライドパレードもありました

ところで私たちがソルトスプリング島を訪れた日は、偶然にもソルトスプリング・プライドの日でした。
土曜日は午後1時からプライドパレードがあり、そのパレードを見てから帰ろうということに。
バンクーバーと比較すると小規模ですが、それでも小さな町のメインストリートが観客でいっぱいになり、大賑わいでした。
しかし、さすがに人口の少ない島だけあって、地元の人たちはお互いがお互いを知っているような状況。道ばたからパレードを歩く人に声をかけてハグをして挨拶という様子を何度も見かけました。
パレードが終わった後、路上の一部がダンスフロアのようになっていたので、そこで見学していたら、仮面をつけた男性に「ハッピープラーイド!!!」と肩を叩かれました。
よく見ると、その人、私たちが宿泊したホテルの受付をしてくれたフロントマンでした。
また、小さな子供を連れた家族や、ティーンエイジャーもたくさん参加していて、この島の地域ぐるみのイベントなんだなーというのが伝わってきました。


ソルトスプリングのプライドパレード

地元バスもレインボーフラッグを掲げてプライドをお祝い

パレード後ダンスフロアと化した路上で踊っていたフルーツの女王

 そしてフェリーでバンクーバーへ

プライドを楽しんだ後はすぐにフェリーでバンクーバーへ戻りました。
帰りのフェリーはソルトスプリング島の他に3つの島を回るので、3時間ほどかかりました。
行きのフェリーでは夕日や星空を満喫しましたが、帰りは日没前なので、ガルフ諸島の美しい島々と、綺麗な海と空を楽しみました。

歩いてフェリーに乗船

フェリーのデッキから

有名なソルトスプリング島のコーヒーはフェリーの中でも飲むことができます

美しい自然を楽しんだ後でバンクーバーのダウンタウンに帰って来ると、寂しいようでいて、なんだか少しほっとする気持ちもありました。
今回は時間の限られた弾丸ツアーでしたが、島の中心部を楽しんだので、次回はトレイルコースを歩いたり、キャンプしたり、カヤックしたりとアウトドアで色々楽しんでみたいなと思いました。












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