2012/06/27

UBCのキャンパス内を歩いていて、気づいたらヌーディストビーチにいました...

天気が良かったので今日もトレイルに行ってきました。
今日は山登りではなく、University of British Columbia (UBC) のキャンパス内にある Pacific Spirit Regional Park というトレイルコースのある公園に行ってきました。

まずは海を目指して

家からバスを乗り継いで、バス停から2キロほど歩くと公園の入り口に到着、無料で配布されている地図を1部もらって歩き始めました。
コースがたくさんあるので、どう歩こうか迷いましたが、端まで歩くと海にぶつかるので、せっかくだから海まで行くことにしました。

入り口付近、小学生がサイクリングを楽しんでいた。

森の中をいくつものトレイルが通っているこの公園は、自転車で通れる道や犬を放せる道などもあり、大型犬を連れて散歩しているマダムがたくさんいました。
トレイルコースは整備されていて、所々に案内板があるので、森の中とはいえ道に迷うことなく歩けました。
晴天で湿度の低い爽やかな気候なので、緑の中を歩くのが本当に気持ち良かったです。
すれ違う人たちも朝の散歩を楽しんでいるようで、皆さんすてきな笑顔で挨拶をしてくれます。
こんな感じの道をずっと歩いて行く。

今回は山ではなく平地なので、特に苦しくなることもありませんでした。
途中、車道を何度か渡って、教会や学校の横を通ったりしながら歩いていると、徐々に人が少なくなってきて、ついに自分の前後に誰もいなくなりました。
この環境を独り占めは贅沢だなーと思いながら歩いて行くと、急に目の前が開けて、車道とその向こうに海が見えてきました。
歩き始めて1時間半程度で目標の場所までたどり着きました。
海に着いた。向こうに見えるのはウエストバンクーバー。

到着したのは Foreshore Park という公園。
小さな駐車場があり、そこからビーチに降りると、ビーチサイドにテーブルやベンチが並んでいました。
少し歩いていくと、トレイルコースから走ってきた人に追い抜かれました。
バンクーバー周辺では、トレイルに行くとトレイルランナーをよく見かけます。
私は歩くのがやっとな山道をスタスタと走る、かなりアスリートな人たちです。
今日の公園くらい平坦な道だったら、私も走れるかも...なんて思いました。

バス停を目指してビーチを歩くことに

さて、ここまで来たものの、近くにはバス停がありません。
Pacific Spirit Regional Park の入り口でもらった地図を見ると、ビーチからUBCのキャンパス内に向かって「Trail 3」「Trail 4」とトレイルコースがあります。
現在地の Acadia Beach から歩いて、Trail 6 からキャンパス内に向かうと、バス乗り場に近いということがわかりましたので、しばらくビーチを歩くことにしました。


ビーチといっても、大きめの石がごろごろしていて、なかなか歩きにくかったです。
頑張って歩いて行くと、さっき私を追い抜いていったトレイルランナーがいました。
休憩かな?と思ったのですが、なんだか周りをキョロキョロ見回している様子。
その後、突然ランナーが服を脱ぎ始めました。
汗をかいたから着替えるのかなと思ったら、なんと全部脱いで裸になってしまいました。
え、え、な、なんで全裸に...

とにかくびっくりして、ビーチの横にあるトレイルコースに入ろうとしたところ、写真のような看板が立っていました。
そういうことだったのか。

ビジターガイドライン
Pacific Spirit Regional Park内のヌーディストビーチ、Wreck Beach へようこそ。
利用にあたっては、他の訪問者のプライバシーを尊重してください。
許可を得ない写真撮影や、じろじろ見つめるなどの行為は行わないでください。
火気、飲酒は厳禁です。
残していいのは足跡のみ、ゴミは持ち帰ってください。

ああ、、、

UBCのキャンパス内に Wreck Beach というヌーディストビーチがあるというのはLonely Planet などのガイドブックにも載っているので有名な話です。
しかし、私のいる場所は地図上では Acadia Beach と書いてあり、別のビーチなので、ヌーディストエリアではないと思っていたのですが...。
思っていたよりもヌーディストエリアは広かったようです。
慌てて地図を見直しましたが、地図には Wreck Beach の記載がありません。
そこで iPhone を取り出し、foursquare (iPhoneアプリ。GPSを使ってアプリ内の地図上に登録された場所に行ったことを記録できる。)を開いてみると、なんと、私の目指していた Trail 6 のある場所が Wreck Beach でした。

これはとんでもない所に来てしまったのでは。焦りました。
しかし、引き返すにも、元来た道をたどるしかないし...
なんだか得体の知れない所へ来てしまったという恐怖感とともに、この先は一体どうなっているんだろうという好奇心も感じ始めたのも事実です。

とりあえず、今まで読んだガイドブックに書いてあった
「ヌーディストビーチといっても全然いやらしい雰囲気はない。平和で、みんな裸で自然との一体化を楽しんでいる。その場にいると服を着ているのが不自然に思えてくる。」
というような説明を思い出し、日本の山の中にある混浴露天風呂みたいなものだろう、などと思い直し、このまま進んでみることにしました。

しばらくは石だらけ、ヌーディストはチラホラ

歩き続けてもしばらくは石だらけのビーチでした。
数10メートルおきくらいに人がいましたが、服を着てお弁当を食べている人だったり、全裸で読書している人だったり、様々です。
最初に見たヌーディストのトレイルランナーは20代後半〜30代の男性でしたが、50代60代くらいの男性や、20代くらいの若い女性など、見かけたヌーディストの年齢層は広かったです。
ヌーディストの横を通るたびに、恥ずかしさと緊張で、じろじろ見つめるどころか、帽子を深くかぶって足下ばかり見ながら歩き続けました。

見た目のいかついヌーディストに話しかけられてビビる

しばらく歩いていると、ヌーディストの1人に話しかけられました。
脚と腕に立派なタトゥーが入って、スキンヘッドの、ちょっと怖そうな人...全裸なのにサングラスをしています。
「今何時か分かる?」と聞かれたので時間を教えると、「そうか、まだ時間はあるな。」と。そして「天気はいいけど脱ぐと寒いんだよね〜、もっと日向に出ないといけないかな」など。。
私はかなりビビっていたので「そうだよね、寒すぎるよ」など適当に相づちを打つことしか出来ませんでした。
しかしこの人、その後も何度かすれ違い、その度に「おお、また会ったね!」などと本当に感じよく挨拶をしてくれました。寒かったのがこたえたのか、しっかり服は着ていましたが。

それから40分ほど歩いた頃、徐々にビーチの石が少なくなり、砂が見えてきたと思ったら、不思議な光景が見えてきました。
たくさんの人で賑わうビーチに、色とりどりのテントや布が海風にはためいています。
そこが Wreck Beach だとすぐにわかりました。
テントや布がはためいている。

これぞヌーディストビーチ

平日の昼間だというのに、思ったよりも人がいました。
もちろん私の家の近くにある English Bay のビーチなどと比べたら、人の数はぐっと少なく、静かですが、これまで通ってきたビーチとは比べ物になりません。
全裸でリュックを背負ったハイキング風の人たちや、トップレスで寝転がる女性たち、服を着て帽子もしっかりかぶっている人たち、水着姿の親子連れ。
一番多かったのは50代くらいの男性です。
確かにいやらしい雰囲気はありません。全員が裸なわけでもなく、思い思いの服装で、それぞれに海を楽しんでいる様子です。
クーラーボックスを抱えてビールなどを売り歩いている人もいます。
バンクーバーでは公共の屋外でお酒を飲むことは禁止されているため、通常はビーチでお酒を飲むことができません。
しかし、このWreck Beach にはライフガードがいないこともあって、そういった商売をしてしまう人もいるようです。

この布は売り物。風に吹かれてはためく様子がとても綺麗だった。
ヌーディストビーチなんて、どんなところか分からず、ちょっと怖いなあと思っていたのですが、実際に行ってみて感じたのは、やはり混浴露天風呂と共通するものがあるんじゃないかということです。
混浴露天風呂は、お風呂なので裸になることが当然です。
他に人がいようがいまいが、銭湯や温泉といった文化が身に付いた日本人にとっては多少恥ずかしかったとしても、その場で裸になることはおかしな行為ではありません。
でも、そういった文化を知らない人からすると、屋外にある風呂に全裸で入るというのはかなり抵抗があると思います。
それと同様に、おそらく、ヌーディストビーチの文化に慣れている人にすれば、そこで裸になるのはおかしなことではなく、嫌らしいものでもないのだろうと思いました。

豊かな自然に恵まれたバンクーバーにいて、自然とともに暮らすという価値観を大切にする人たちには、喧噪から少しだけ離れた場所で、裸になって思い切りビーチを満喫するというのが日本人にとっての露天風呂感覚なのかなーと思ったのです。
私は裸にはならないと思いますが、またゆっくり行ってみてもいいかもしれないと思いました。

ところで、この後無事に Trail 6 からバス停に向かい、バスに乗って帰宅したのですが、この Trail 6 は単なる階段で、登り終わるとすぐ UBC のキャンパスに出ました。
しかも、今は夏休みなので、キャンパスのあちこちが工事中でした。
ビーチはあんなにも世間から離れた空間だったのに、一気に現実に引き戻されました。
大学の中にこんなビーチがあるって、なんだか凄いですね。








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