2012/06/13

グラウスマウンテンに(何とか)登ってきました

いい天気だから出かけなきゃ

6月に入っても曇り、小雨といったぐずついた天気が続いているバンクーバーですが
月曜日は珍しくいいお天気でした。
いい天気だったので家の近くのビーチで散歩もしましたよ。

その日はアップルのWWDCでしたので、パソコンの前に座って engadget のライブレポートを眺めていたのですが、天気の悪い日が続く中、こんなに晴れてるのに屋内にいたらもったいない!思い立ったが吉日!と突然思いついてしまい、気づいたら登山靴を履いてグラウスマウンテンに向かっていました。

バンクーバーのダウンタウンから公共の交通機関を乗り継いで簡単に行けてしまう場所にあるグラウスマウンテンは、バンクーバーの高尾山と言ってもいいほど人気の観光スポットみたいです。歩いてもゴンドラでも登れるという点も、登ったところにレストランがあってビールが飲めるという点も高尾山と一緒です。
家の前からバスに乗ってスカイトレインのWaterfront駅へ向かい、そこからシーバスというフェリーに乗ってノースバンクーバーへ。フェリーを降りたらまたバスに乗って、全部で1時間もかからないうちに登山口に到着しました。

一回目の挫折

実はグラウスマウンテンに登ったのはこれが初めてではありません。
少し前に、登山が趣味だという友達に誘われて夫と3人でグラウスマウンテンに行ったのです。
「1時間くらいで登れると思うから楽だよ〜」という友達の言葉を鵜呑みにして、高尾山を想像し気軽な気持ちで登り始めてみたら...きつい...
目の前に見えるのは一体どこが高尾山やねん!とつっこみたくなるような急勾配。
普段は庭師をしている友達はスイスイと登って行きますが、私はついていくのがやっと。何度も何度も休憩したのですが、やはり友達のペースにはあわせられず、息はあがるわ、心臓はバクバクするわで大変。
見かねた友達が「今日は辞めといた方がいい」と言ってくれたこともあり、なんと途中で下山してしまったのです。
誰でも登っているような初心者向けの山すら登る体力がないのかと思うと、
その日はもう悔しくて悔しくて、今度は絶対に最後まで!!と心に誓いました。
これは途中で挫折した時の写真です。


リベンジ開始

それから約2週間、天候や都合があわないことなどを理由に再挑戦のタイミングを先延ばしにしてきました。しかし、再挑戦するまでずっと一回目の失敗の悔しさを引きずってしまうことになるのは嫌なので、ここは挑戦するしかないと思い切ったわけです。

今度は1人だから、他の人に気を遣わず自分のペースで登ることができる。
休憩も自分のタイミングで取れるから、完全に疲れる前にこまめに休憩を取るようにしようと心がけて、また急な道を登り始めました。
トレイルコースの入り口。この辺はとてもゆるやか。


ちなみに私が登ったコースはこちらのサイト(日本語)で詳しく書かれています。なんとこのサイトによると「上級」に分類されていますね。

日光東照宮の14倍もある階段をひたすら登る

このコースは、グラウス・グラインドと呼ばれるトレイルコースで、距離は2.9kmと短いながらも、スタート地点からゴール地点までの標高差が853mもあるのです。
急勾配なので登りやすいように木製の階段が埋め込まれていますが、この階段がなんと全部で2,830段もあるんです。日光東照宮の階段は200段でしたっけ?こっちはその14倍ですよ。
しかも1段1段の高さが結構きつく、地下鉄の階段を1段飛ばしで登っているような感じです。
登り始めるとやはり、息がハアハア上がってくるし、心拍数も急上昇します。

コースは1/4ごとに今どの地点にいるのかというマークがついているのですが、特に最初の1/4が角度がキツいように感じました。


気にしたら負け

しかし平日の昼間だというのに、結構な人出です。
若い人もいれば、杖をついたお年寄りも。登っていると汗をかくからか、上半身はだかにリュックを背負い、短パン姿で登山している人も数名見かけました。
みなさん、私よりも体力があるようで、スイスイ登って行かれます。
後ろから来る人が通れるように、トレイルコースのすみっこに寄って待機していると「私って本当に体力ないなあ...」と気になってしまいます。
最初の方は落ち込みそうになったものの、今回の目標は「最後まで登る」ことだけであり、「いかに早く登るか」とか「いかにかっこ良くのぼるか」とかに気を取られている場合じゃない、気にしたって早く登れるわけではなく、落ち込むくらいなら一歩でも前に足を動かした方が目的の達成に近づけるんだと自分に言い聞かせながら登りました。
写真を撮る余裕もなく...

3/4を過ぎたころにはすっかり自分のペースが掴め、滝の音や木々の間から時折見えるふもとの景色などに癒されつつ楽しく登ることができました。
って、つまり、全体の半分以上は苦しかったっていうことなんですが...。

登り続けていくと、空気が冷たく感じるようになったことに気づきました。辺りを見回すと、なんとまだ少しだけ雪が残っています。そしてついに、やっと、登り切りました。

登ったあとは...

とりあえずリベンジ終了です。
登り始める前には「登り切ったらビールを飲もう」と思っていたのですが、あまりにも疲れていたのと、登ったことで満足してしまい、ビールのことはもうどうでもよくなっていました。
とりあえず汗ぐっしょりなので、すぐにトイレに向かい、リュックから下着やTシャツを出して着替えました。
着替えてさっぱりした後は、バンクーバーの街並が一望できると評判の景色を眺めようと展望デッキに行ってみたのですが...残念ながら、曇りで、ぼんやりとした景色しか見ることができませんでした。


とりあえず登ることを目標としていたのがアダになったのか、登った後は何もする気にならず、さっさとゴンドラで帰ってきてしまいました。
下りのゴンドラ

ちなみにこのゴンドラ、みんな汗をかいた後で着替えずに乗るので、すごく臭かったです。もしかしたらたまたま私が乗った時がそうだっただけなのかもしれないのですが、ゆっくり窓の外の景色を楽しむという余裕も持てないほどのニオイでした...。

山に登っている間は、ひたすら、山を登り切ることという目標のために、完全に疲れ切ってしまう前にちょこちょこ休みを取ること、他の人が自分よりどれだけ速く登って行こうが気にしないことを心がけていました。
これって山を登るだけじゃなくて、語学の勉強だったり、就職活動だったり、色んなことに当てはまるよなあ、と思いながらバスにゆられて帰りました。

ビールも飲まず、景色もゆっくり楽しまず、ゴンドラは臭かったですが、それでも一度失敗したことをちゃんとやり直せたということには満足です。










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