2012/06/27

UBCのキャンパス内を歩いていて、気づいたらヌーディストビーチにいました...

天気が良かったので今日もトレイルに行ってきました。
今日は山登りではなく、University of British Columbia (UBC) のキャンパス内にある Pacific Spirit Regional Park というトレイルコースのある公園に行ってきました。

まずは海を目指して

家からバスを乗り継いで、バス停から2キロほど歩くと公園の入り口に到着、無料で配布されている地図を1部もらって歩き始めました。
コースがたくさんあるので、どう歩こうか迷いましたが、端まで歩くと海にぶつかるので、せっかくだから海まで行くことにしました。

入り口付近、小学生がサイクリングを楽しんでいた。

森の中をいくつものトレイルが通っているこの公園は、自転車で通れる道や犬を放せる道などもあり、大型犬を連れて散歩しているマダムがたくさんいました。
トレイルコースは整備されていて、所々に案内板があるので、森の中とはいえ道に迷うことなく歩けました。
晴天で湿度の低い爽やかな気候なので、緑の中を歩くのが本当に気持ち良かったです。
すれ違う人たちも朝の散歩を楽しんでいるようで、皆さんすてきな笑顔で挨拶をしてくれます。
こんな感じの道をずっと歩いて行く。

今回は山ではなく平地なので、特に苦しくなることもありませんでした。
途中、車道を何度か渡って、教会や学校の横を通ったりしながら歩いていると、徐々に人が少なくなってきて、ついに自分の前後に誰もいなくなりました。
この環境を独り占めは贅沢だなーと思いながら歩いて行くと、急に目の前が開けて、車道とその向こうに海が見えてきました。
歩き始めて1時間半程度で目標の場所までたどり着きました。
海に着いた。向こうに見えるのはウエストバンクーバー。

到着したのは Foreshore Park という公園。
小さな駐車場があり、そこからビーチに降りると、ビーチサイドにテーブルやベンチが並んでいました。
少し歩いていくと、トレイルコースから走ってきた人に追い抜かれました。
バンクーバー周辺では、トレイルに行くとトレイルランナーをよく見かけます。
私は歩くのがやっとな山道をスタスタと走る、かなりアスリートな人たちです。
今日の公園くらい平坦な道だったら、私も走れるかも...なんて思いました。

バス停を目指してビーチを歩くことに

さて、ここまで来たものの、近くにはバス停がありません。
Pacific Spirit Regional Park の入り口でもらった地図を見ると、ビーチからUBCのキャンパス内に向かって「Trail 3」「Trail 4」とトレイルコースがあります。
現在地の Acadia Beach から歩いて、Trail 6 からキャンパス内に向かうと、バス乗り場に近いということがわかりましたので、しばらくビーチを歩くことにしました。


ビーチといっても、大きめの石がごろごろしていて、なかなか歩きにくかったです。
頑張って歩いて行くと、さっき私を追い抜いていったトレイルランナーがいました。
休憩かな?と思ったのですが、なんだか周りをキョロキョロ見回している様子。
その後、突然ランナーが服を脱ぎ始めました。
汗をかいたから着替えるのかなと思ったら、なんと全部脱いで裸になってしまいました。
え、え、な、なんで全裸に...

とにかくびっくりして、ビーチの横にあるトレイルコースに入ろうとしたところ、写真のような看板が立っていました。
そういうことだったのか。

ビジターガイドライン
Pacific Spirit Regional Park内のヌーディストビーチ、Wreck Beach へようこそ。
利用にあたっては、他の訪問者のプライバシーを尊重してください。
許可を得ない写真撮影や、じろじろ見つめるなどの行為は行わないでください。
火気、飲酒は厳禁です。
残していいのは足跡のみ、ゴミは持ち帰ってください。

ああ、、、

UBCのキャンパス内に Wreck Beach というヌーディストビーチがあるというのはLonely Planet などのガイドブックにも載っているので有名な話です。
しかし、私のいる場所は地図上では Acadia Beach と書いてあり、別のビーチなので、ヌーディストエリアではないと思っていたのですが...。
思っていたよりもヌーディストエリアは広かったようです。
慌てて地図を見直しましたが、地図には Wreck Beach の記載がありません。
そこで iPhone を取り出し、foursquare (iPhoneアプリ。GPSを使ってアプリ内の地図上に登録された場所に行ったことを記録できる。)を開いてみると、なんと、私の目指していた Trail 6 のある場所が Wreck Beach でした。

これはとんでもない所に来てしまったのでは。焦りました。
しかし、引き返すにも、元来た道をたどるしかないし...
なんだか得体の知れない所へ来てしまったという恐怖感とともに、この先は一体どうなっているんだろうという好奇心も感じ始めたのも事実です。

とりあえず、今まで読んだガイドブックに書いてあった
「ヌーディストビーチといっても全然いやらしい雰囲気はない。平和で、みんな裸で自然との一体化を楽しんでいる。その場にいると服を着ているのが不自然に思えてくる。」
というような説明を思い出し、日本の山の中にある混浴露天風呂みたいなものだろう、などと思い直し、このまま進んでみることにしました。

しばらくは石だらけ、ヌーディストはチラホラ

歩き続けてもしばらくは石だらけのビーチでした。
数10メートルおきくらいに人がいましたが、服を着てお弁当を食べている人だったり、全裸で読書している人だったり、様々です。
最初に見たヌーディストのトレイルランナーは20代後半〜30代の男性でしたが、50代60代くらいの男性や、20代くらいの若い女性など、見かけたヌーディストの年齢層は広かったです。
ヌーディストの横を通るたびに、恥ずかしさと緊張で、じろじろ見つめるどころか、帽子を深くかぶって足下ばかり見ながら歩き続けました。

見た目のいかついヌーディストに話しかけられてビビる

しばらく歩いていると、ヌーディストの1人に話しかけられました。
脚と腕に立派なタトゥーが入って、スキンヘッドの、ちょっと怖そうな人...全裸なのにサングラスをしています。
「今何時か分かる?」と聞かれたので時間を教えると、「そうか、まだ時間はあるな。」と。そして「天気はいいけど脱ぐと寒いんだよね〜、もっと日向に出ないといけないかな」など。。
私はかなりビビっていたので「そうだよね、寒すぎるよ」など適当に相づちを打つことしか出来ませんでした。
しかしこの人、その後も何度かすれ違い、その度に「おお、また会ったね!」などと本当に感じよく挨拶をしてくれました。寒かったのがこたえたのか、しっかり服は着ていましたが。

それから40分ほど歩いた頃、徐々にビーチの石が少なくなり、砂が見えてきたと思ったら、不思議な光景が見えてきました。
たくさんの人で賑わうビーチに、色とりどりのテントや布が海風にはためいています。
そこが Wreck Beach だとすぐにわかりました。
テントや布がはためいている。

これぞヌーディストビーチ

平日の昼間だというのに、思ったよりも人がいました。
もちろん私の家の近くにある English Bay のビーチなどと比べたら、人の数はぐっと少なく、静かですが、これまで通ってきたビーチとは比べ物になりません。
全裸でリュックを背負ったハイキング風の人たちや、トップレスで寝転がる女性たち、服を着て帽子もしっかりかぶっている人たち、水着姿の親子連れ。
一番多かったのは50代くらいの男性です。
確かにいやらしい雰囲気はありません。全員が裸なわけでもなく、思い思いの服装で、それぞれに海を楽しんでいる様子です。
クーラーボックスを抱えてビールなどを売り歩いている人もいます。
バンクーバーでは公共の屋外でお酒を飲むことは禁止されているため、通常はビーチでお酒を飲むことができません。
しかし、このWreck Beach にはライフガードがいないこともあって、そういった商売をしてしまう人もいるようです。

この布は売り物。風に吹かれてはためく様子がとても綺麗だった。
ヌーディストビーチなんて、どんなところか分からず、ちょっと怖いなあと思っていたのですが、実際に行ってみて感じたのは、やはり混浴露天風呂と共通するものがあるんじゃないかということです。
混浴露天風呂は、お風呂なので裸になることが当然です。
他に人がいようがいまいが、銭湯や温泉といった文化が身に付いた日本人にとっては多少恥ずかしかったとしても、その場で裸になることはおかしな行為ではありません。
でも、そういった文化を知らない人からすると、屋外にある風呂に全裸で入るというのはかなり抵抗があると思います。
それと同様に、おそらく、ヌーディストビーチの文化に慣れている人にすれば、そこで裸になるのはおかしなことではなく、嫌らしいものでもないのだろうと思いました。

豊かな自然に恵まれたバンクーバーにいて、自然とともに暮らすという価値観を大切にする人たちには、喧噪から少しだけ離れた場所で、裸になって思い切りビーチを満喫するというのが日本人にとっての露天風呂感覚なのかなーと思ったのです。
私は裸にはならないと思いますが、またゆっくり行ってみてもいいかもしれないと思いました。

ところで、この後無事に Trail 6 からバス停に向かい、バスに乗って帰宅したのですが、この Trail 6 は単なる階段で、登り終わるとすぐ UBC のキャンパスに出ました。
しかも、今は夏休みなので、キャンパスのあちこちが工事中でした。
ビーチはあんなにも世間から離れた空間だったのに、一気に現実に引き戻されました。
大学の中にこんなビーチがあるって、なんだか凄いですね。








2012/06/25

オリンピック会場になったスキー場を登ってきました

またハイキングに行ってきました。
今回は、勝手に心の中でハイキングの先生と呼んでいる友人と一緒に、
Black Mountain という山に登ってきました。

Black Mountain は、Cypress Provincial Parkという自然公園の中にある山の1つです。
Cypress Provincial Park はなんと3000ヘクタール以上ある公園です。
3000ヘクタールと言われてもピンと来ないかもしれませんが、
東京で言うと稲城市・多摩市・八王子市・町田市にまたがる多摩ニュータウンと同じくらいの面積です。
この Cypress のスキー場は2010年の冬季オリンピックで、
スノーボードとフリースタイルスキーの競技会場になりました。
そんなところを歩いて登ってきました。

予定していたトレイルコースにたどり着けず

当初はスキー場ではなく、 Eagle Bluffs というトレイルコースに登る予定でした。
先生が車で連れて行ってくれることになったので、初心者向けではなく、
少しだけレベルの高いところに行こうということでコースを選びました。
ところが、こちらの道路は標識も少なく、なんとなーくこっちの方かな?と
思う方に行ったらスキー場についてしまいました。
地図で確認したところ、スキー場の方からでも Eagle Bluffs のコースに含まれる
Black Mountain に登れるということがわかったので、今回はスキー場から登ることにしました。

行けども行けどもスキー場

雪が溶けたあとのスキー場ってこんな感じなんですね。
いざ登り始めると、雪溶け後のスキー場なので当然ですが、
ただっぴろい砂利道がひたすら続きます。歩いている人も誰もいません。
そのうち景色が良くなるかなーと期待して登りましたが、
本当に、行けども行けどもスキー場です。
しかも、先生のペースについていったらすぐに息が上がってしまい、
登り始めて15分くらいで苦しくなってしまいました。

呼吸が乱れてきたので、休憩して息を整えましたが
「ここを乗り越えれば楽になる、立ち止まらないでゆっくり進んだ方がいい」と先生に励まされ、
先生にもゆっくり登ってもらうことにしました。
最初のペースが速いとバテやすく、長く歩くためには
最初はゆっくり行った方がいい、というのはジョギングと同じですね。

雪の中を進む

進んでいるうち、空気がひんやりしてきたなと思ったら雪が見え始めました。
もう6月も末なので、溶け残っている雪は固くジャリジャリとしています。
でも遠くの方に海が見えてきて、この先に進んだらきっと
すごく綺麗な景色が見れるだろうと期待が膨らみます。
スキー場から見える海
雪の中とはいえ、歩いているとどんどん暑くなってくるので、汗だくです。
途中から上着を脱いで半袖で歩きました。
しかし、さすがスキー場。登れば登るほど雪は深くなってくるし、
傾斜もきつくなっているような...。
普通に登ると雪ですべってしまうので、足を逆八の字にして、
一歩一歩靴を雪に差しこみながら登っていきました。
そんな登り方をしていたので普通の山道を登るよりも筋力を多く使ったように思います。

雪に足を取られないように登ったスキー場
きつくて写真を撮る余裕がなかったのですが、途中、立ったままでは登れずに
雪に手をついてよじ登ったところもありました。
登り始めた頃と比べて息苦しさもなくなって楽になっていたので
ひたすら目の前の雪を登ることだけ考えながら進みました。

頂上についた!けど...

無我夢中で登っていたら、頂上につきました。
頂上からは綺麗な景色が見られるだろうと期待していたのですが、
頂上から見た景色。
ご覧の通り、真っ白です。
山の頂上がすっぽりと厚い雲に覆われていて、何も見えませんでした。
雲というより、濃霧のようでした。
先生はこの天気にがっかりしていました。
でも私は、頂上まで来たという達成感だけで満足でした。


山を降りるのはあっという間

さて、頂上まで来たので山を降ります。
雪道なので滑らないように気をつけて進んでいましたが、
前方を行く先生がスキーのように靴で滑りながら降りていたので
私もおっかなびっくり真似をすることにしました。
スキーもスノーボードもさほど得意でない私は、斜面を滑るのが最初は怖かったのですが
滑っていくうちに段々楽しくなってきました。
楽しく滑っているうちに、あっという間にふもとについてしまいました。

雪山からビーチへ

下山後のランチは近くの Horseshoe Bay というところで食べました。
バンクーバー島などへ行くフェリー乗り場があり、その周辺には公園やレストランがあってちょっとした観光地になっています。

ランチの後は、山頂の景色に満足できなかった先生の提案で、
 Horseshoe Bay からすぐ近くにある Whytecliff Park という海浜公園へ行きました。
Whytecliff Park

天気の良かったこの日は、水着姿でビーチを満喫している人もチラホラいました。
さっきまでスキー場で雪山に登っていたのに、もうビーチにいるというのは不思議な感覚です。
バンクーバーの観光案内によく「1日のうちにスキーとゴルフができる」と書いてあるのを思い出しました。
これも海と山に囲まれたバンクーバーならではの魅力かなと思います。

Cypress から見たバンクーバーの景色






2012/06/13

グラウスマウンテンに(何とか)登ってきました

いい天気だから出かけなきゃ

6月に入っても曇り、小雨といったぐずついた天気が続いているバンクーバーですが
月曜日は珍しくいいお天気でした。
いい天気だったので家の近くのビーチで散歩もしましたよ。

その日はアップルのWWDCでしたので、パソコンの前に座って engadget のライブレポートを眺めていたのですが、天気の悪い日が続く中、こんなに晴れてるのに屋内にいたらもったいない!思い立ったが吉日!と突然思いついてしまい、気づいたら登山靴を履いてグラウスマウンテンに向かっていました。

バンクーバーのダウンタウンから公共の交通機関を乗り継いで簡単に行けてしまう場所にあるグラウスマウンテンは、バンクーバーの高尾山と言ってもいいほど人気の観光スポットみたいです。歩いてもゴンドラでも登れるという点も、登ったところにレストランがあってビールが飲めるという点も高尾山と一緒です。
家の前からバスに乗ってスカイトレインのWaterfront駅へ向かい、そこからシーバスというフェリーに乗ってノースバンクーバーへ。フェリーを降りたらまたバスに乗って、全部で1時間もかからないうちに登山口に到着しました。

一回目の挫折

実はグラウスマウンテンに登ったのはこれが初めてではありません。
少し前に、登山が趣味だという友達に誘われて夫と3人でグラウスマウンテンに行ったのです。
「1時間くらいで登れると思うから楽だよ〜」という友達の言葉を鵜呑みにして、高尾山を想像し気軽な気持ちで登り始めてみたら...きつい...
目の前に見えるのは一体どこが高尾山やねん!とつっこみたくなるような急勾配。
普段は庭師をしている友達はスイスイと登って行きますが、私はついていくのがやっと。何度も何度も休憩したのですが、やはり友達のペースにはあわせられず、息はあがるわ、心臓はバクバクするわで大変。
見かねた友達が「今日は辞めといた方がいい」と言ってくれたこともあり、なんと途中で下山してしまったのです。
誰でも登っているような初心者向けの山すら登る体力がないのかと思うと、
その日はもう悔しくて悔しくて、今度は絶対に最後まで!!と心に誓いました。
これは途中で挫折した時の写真です。


リベンジ開始

それから約2週間、天候や都合があわないことなどを理由に再挑戦のタイミングを先延ばしにしてきました。しかし、再挑戦するまでずっと一回目の失敗の悔しさを引きずってしまうことになるのは嫌なので、ここは挑戦するしかないと思い切ったわけです。

今度は1人だから、他の人に気を遣わず自分のペースで登ることができる。
休憩も自分のタイミングで取れるから、完全に疲れる前にこまめに休憩を取るようにしようと心がけて、また急な道を登り始めました。
トレイルコースの入り口。この辺はとてもゆるやか。


ちなみに私が登ったコースはこちらのサイト(日本語)で詳しく書かれています。なんとこのサイトによると「上級」に分類されていますね。

日光東照宮の14倍もある階段をひたすら登る

このコースは、グラウス・グラインドと呼ばれるトレイルコースで、距離は2.9kmと短いながらも、スタート地点からゴール地点までの標高差が853mもあるのです。
急勾配なので登りやすいように木製の階段が埋め込まれていますが、この階段がなんと全部で2,830段もあるんです。日光東照宮の階段は200段でしたっけ?こっちはその14倍ですよ。
しかも1段1段の高さが結構きつく、地下鉄の階段を1段飛ばしで登っているような感じです。
登り始めるとやはり、息がハアハア上がってくるし、心拍数も急上昇します。

コースは1/4ごとに今どの地点にいるのかというマークがついているのですが、特に最初の1/4が角度がキツいように感じました。


気にしたら負け

しかし平日の昼間だというのに、結構な人出です。
若い人もいれば、杖をついたお年寄りも。登っていると汗をかくからか、上半身はだかにリュックを背負い、短パン姿で登山している人も数名見かけました。
みなさん、私よりも体力があるようで、スイスイ登って行かれます。
後ろから来る人が通れるように、トレイルコースのすみっこに寄って待機していると「私って本当に体力ないなあ...」と気になってしまいます。
最初の方は落ち込みそうになったものの、今回の目標は「最後まで登る」ことだけであり、「いかに早く登るか」とか「いかにかっこ良くのぼるか」とかに気を取られている場合じゃない、気にしたって早く登れるわけではなく、落ち込むくらいなら一歩でも前に足を動かした方が目的の達成に近づけるんだと自分に言い聞かせながら登りました。
写真を撮る余裕もなく...

3/4を過ぎたころにはすっかり自分のペースが掴め、滝の音や木々の間から時折見えるふもとの景色などに癒されつつ楽しく登ることができました。
って、つまり、全体の半分以上は苦しかったっていうことなんですが...。

登り続けていくと、空気が冷たく感じるようになったことに気づきました。辺りを見回すと、なんとまだ少しだけ雪が残っています。そしてついに、やっと、登り切りました。

登ったあとは...

とりあえずリベンジ終了です。
登り始める前には「登り切ったらビールを飲もう」と思っていたのですが、あまりにも疲れていたのと、登ったことで満足してしまい、ビールのことはもうどうでもよくなっていました。
とりあえず汗ぐっしょりなので、すぐにトイレに向かい、リュックから下着やTシャツを出して着替えました。
着替えてさっぱりした後は、バンクーバーの街並が一望できると評判の景色を眺めようと展望デッキに行ってみたのですが...残念ながら、曇りで、ぼんやりとした景色しか見ることができませんでした。


とりあえず登ることを目標としていたのがアダになったのか、登った後は何もする気にならず、さっさとゴンドラで帰ってきてしまいました。
下りのゴンドラ

ちなみにこのゴンドラ、みんな汗をかいた後で着替えずに乗るので、すごく臭かったです。もしかしたらたまたま私が乗った時がそうだっただけなのかもしれないのですが、ゆっくり窓の外の景色を楽しむという余裕も持てないほどのニオイでした...。

山に登っている間は、ひたすら、山を登り切ることという目標のために、完全に疲れ切ってしまう前にちょこちょこ休みを取ること、他の人が自分よりどれだけ速く登って行こうが気にしないことを心がけていました。
これって山を登るだけじゃなくて、語学の勉強だったり、就職活動だったり、色んなことに当てはまるよなあ、と思いながらバスにゆられて帰りました。

ビールも飲まず、景色もゆっくり楽しまず、ゴンドラは臭かったですが、それでも一度失敗したことをちゃんとやり直せたということには満足です。










2012/06/10

Inside the Jimi Hendrix Shrine

5月27日の投稿で取り上げた Jimi Hendrix Shrine の一般公開が6月から始まったので
建物の中を見てきました。

バンクーバーには、観光シーズンである夏の間(6月〜8月いっぱい)だけオープンする施設が結構あります。
この Jimi Hendrix Shrine も例に漏れず、夏の間のみ一般公開されています。
オーナーのVincentさん曰く、一年を通して公開すると赤字になってしまうのだそう。
入場は無料で、Tシャツなどの販売と募金で運営しているそうです。
ということで、一般公開されている期間以外は、シェアハウスの一室として貸し出されています。

ちなみに、この建物がある一角は近年開発が進み、周辺にはたくさんのコンドミニアムが建設されています。
不動産デベロッパーからJimi Hendrix Shrine の土地を購入したいというオファーもあるようなのですが、オーナーのVincentさんは、買い主がジミヘンにゆかりのある何かを設置しない限りは売却しないというポリシーのようです。
参照:Owner Vincent Fodera stands firm on Jimi Hendrix Shrine (straight.com)

友達がこの部屋に住んでいたので、公開されていない時には行ったことがあったのですが、
公開中に行くのは初めてなので、中の様子を中心に写真を撮ってきました。
手作り感あふれる Jimi Hendrix Shrine の雰囲気をお楽しみください。


Jimi Hendrix Shrineの看板。オーナーによる手描きのイラストがアットホームさを演出。
これは表の通り(Main Street という名前の通り)から見える看板です。
この赤い看板の裏はシェアハウスのキッチンになっています。


真っ赤な外観が特徴的なJimi Hendrix Shrineと偶然通りかかった散歩中の犬。


中の様子。内側の壁も真っ赤。


幼い頃の写真なども展示されている。よく見ると本のコピーのようで著作権についての但し書きがある。

T シャツなどのグッズを販売している。そして人形の顔がこわい...

庭。窓からジミヘンが顔を出している。

以上、Jimi Hendrix Shrine の写真でした。

ほかにも、庭に祭壇のようなものがありますが、
そちらは飾ってある花が造花だったりしてちょっと悲壮感が漂っているのと、
見慣れていることもあって、写真を撮らずに帰ってきてしまいました。

とても小規模な施設ですが、元住人の話では一般公開していない時でも
ほぼ毎日のように通りがかりの人が興味を示したり、
「ここ知ってる?ジミヘンのおばあちゃんがレストランやってた場所らしいよー」と
話しながら建物の前を通って行ったりしていたそうで、案外人気があるようです。

夏にバンクーバーを訪れる機会があれば、ちょっと行ってみるのも面白いのではないでしょうか。

住所などの情報は以下の通りです。
207 Union Street, Vancouver, BC 




2012/06/05

バナナがキーボードになる?MITの院生が作ったMakey Makey ただいま出資者募集中

ちょっと前に日本語のヤフーニュースでも取り上げられたのでもうご存知の方もいるかもしれませんが、MITの院生が作った Makey Makey というキットが面白いですね!
パソコンとMakey Makeyをつなぎ、さらにMakey Makeyから伸びたケーブルの先のワニ型クリップで電導性のものを挟むと、何でもキーボードになってしまうというすごい発明です。

YouTubeで公開されている動画では、バナナをスペースキーにしたり、
ねんどをゲームのコントローラー代わりにしてスーパーマリオで遊んだり、
水の入ったバケツをダンスダンスレボリューションのステップ代わりにしたりとやりたい放題でとっても楽しそう。


開発者のJay Silver さん、Eric Rosenbaum さんはふたりともMIT Media Labの博士課程に在籍中で、現在、Kickstarter というソーシャルファンディングサイトで出資者を募集中です。
日本では Studygift の事件で話題になって知った方も多いソーシャルファンディングサイトは、気に入ったら誰でもインターネットを通して出資ができるサービスです。
$5〜と小額からの出資も可能なので、円高の今、面白い!!と思った方は出資されてみてはどうでしょうか。

Makey Makey オフィシャルウェブサイトは↓

Kickstarter のページは以下のURLから↓

MaKey MaKey: An Invention Kit for Everyone



2012/06/03

無料でカレーが食べられる Shree Mahalakshmi Temple

今日はちょっと変わったグルメスポット(?)を紹介します。

炊き出しではない?

「ただでカレーが食べられるインド系の寺があるらしいから、行ってみようよ」

初めて夫からそう言われた時は、かなり戸惑ってしまいました。
というのも、私の頭の中では『宗教施設で無料で振る舞われる食べ物=ホームレス向けの炊き出し』というイメージが完全に出来上がってたので、そんなところへ行くほど自分は落ちぶれていないぞ、という気持ちが強かったのです。

最初は抵抗感を示していたものの、
「ホームレスみたいな人は1人もいないんだよ」とか、
「×××(Jimi Hendrix Shrine のシェアメイト、インド人)がたまに手伝っているらしい」といった話を聞いて、じゃあ行ってみてもいいかな、、、と思い、行ってみました。
実際に行ってみたところ、まさに百聞は一見に如かず。
確かにホームレスみたいな人は見当たらず、カレーを食べにきているのは若い学生風の若者(それも白人)ばかり。
意外と清潔な場所で、おかしな人もいないようだし、カレーは美味しいし、わりと気に入ってしまいました。

そして今日、久しぶりにまたカレーを食べに行って写真も撮ってきましたので、ブログで紹介しようと思います。

その寺は住宅街の中に

これが噂の寺。閑静な住宅街の中にある。


バンクーバーのダウンタウンから東南へ少し外れたところにあるMt. Pleasant というエリアの住宅街に、その寺院はあります。
ちなみにMt. Pleasant は、ダウンタウンのビル街を見下ろすことができる、見晴らしの良い素敵なエリアです。


行列のできる寺

すごい行列。

どうやらカレーが食べられるのは、日曜日の14時かららしい。ということでその時間に行ってみると、すごい行列です。
みんなカレー目当てに来ているのですが、並んでいる人たちは10代後半から20代の若者が中心。30代、40代っぽい人たちもちらほら。
みんなわりとこぎれいな格好をしていて、ホームレスのおじさんはいないのです。
自分のことは棚に上げて、並んでいるのは一体どんな人たちなんだろうかと不思議に思ってしまいます。


並んで順番にカレーをよそってもらう給食スタイル

中の様子。みんな並んで、カレーをよそってもらう。

教義に関するポスターなどが貼ってある。

中に入ると、順番に並んでお皿にご飯やカレーをよそってもらうようになっています。
あれだけの行列があったので中も結構混んでいます。
壁には、このお寺の教義に関するポスターなどが貼ってあり、ありがたい教えについても勉強することができます。

カレーがうまい

美味しそうなカレー。右上の白いのは甘い乳粥。
上の写真が今日食べたカレーです。
ライスはクローブを炊き込んであり、ライスの上にかかっているのは豆のカレー。
さらに乳粥、ジャガイモのカレー煮込み、小さなチャパティ(?)がつきます。
寺だからなのか、全品ベジタリアンメニューです。
全品本格的なインドカレーで、文句のつけようがなく美味しいです。
(肉が入っていないこともあり、好みはあるかもしれません)

しかも、食べていると「モアライス?」「ポテト?」といいながら、
バケツのような大きな容器に入った米や、芋や、カレーをもったおじさんたちが
もっと食べろもっと食べろと振る舞ってきます。
中にはタッパーを持ってきて、タッパーの中に米やカレーを入れてもらっている猛者もいます。
おじさんたちは朗らかです。夫がおかわりに応じたら、
「ユーフロムジャパン?」と聞かれ、「イエス」と答えたところ、そのおじさんは、
「モシモシィッ!!」と満面の笑みで返してきました。

無料で美味しいカレーが食べられ、おかわり自由、しかも優しい人ばかり。
ここまでくると一体このお寺の狙いは何なのだろうかと気になってしまいます。

しかし、特に宗教に勧誘されるわけでもなく、ホームレスだらけの炊き出しともまた違いますので、一回くらいは行ってみても損はないんじゃないかと思います。

住所などお寺の情報は以下の通りです。

Shree Mahalakshmi Temple
467 11th Ave E Vancouver, BC V5T 2C8
 (604) 874-0175
web site: http://www.shreemahalakshmitemple.ca/ (注:音が出ます)

なんとYelpでも口コミや地図が確認できます。



2012/06/01

ベトナミーズサンドイッチの穴場 BaLe

今日はチャイナタウンにあるベトナミーズサンドイッチのお店 BaLe を紹介します。
ベトナミーズサンドイッチは、フランスパンに野菜やお肉、パクチーなどをはさんだサンドイッチで、バインミーという名前で日本のベトナム料理店などでも食べることができます。
最近はテイクアウトのお店も増えているようです。
参照:東京、"持ち帰り"バインミー5選(Time Out Tokyo)

 Jimi Hendrix Shrine に滞在していた頃、「ベトナムのサンドイッチ美味しいよね〜」と話していたら、ベトナム人の住人から「このお店に行った方がいいよ!」とオススメされたお店です。
ここのサンドイッチが好きすぎて、West End に引越してきてからも、わざわざバスに乗って買いに行くこともあります。

怪しい店構え

BaLeの店構え。ショーウインドウの鉄格子はこのエリアの治安が悪かった時代の名残です。
お店はチャイナタウンの Jimi Hendrix Shrine のすぐ近くにあります。
鉄格子のついた窓からは店内の様子がわかりにくく、
外からお店を見ただけでは、なかなか入ってみようと思えないような怪しい店構えです。

全く愛想のない店員

店内の様子。このおじさん、おばさん、全く愛想がありません。
店内ではカウンター越しに中国人夫婦と思われるおじさんとおばさんが黙々とサンドイッチを作っています。
店内に客が入ってきてもハローとも言いません。
とにかくこの2人、ほとんど客と会話しないのです。
客が自分から「◎◎ください」と呼びかけ、少しすると
おじさんかおばさんどちらかが袋に包んだサンドイッチを持ってきて
「◎◎ドルです」と言うのみ。
たまーにサンドイッチを選ぶのに迷っていると「May I help you?」と言ってくれることはありますが、顔は笑っていなかったりします。基本、愛想ゼロです。

謎のメニュー

サンドイッチ以外にも色々なものを売っていますが...。
店内の壁にはメニューが貼ってありますが、さすがチャイナタウンだけあって
中国語がメインです。
英語でわりと大きく書いてあるのが、以下5種類のサンドイッチ。

  • Cold cut
  • Chicken
  • Meat ball
  • Pork
  • Meat loaf

上のサンドイッチは全て1つ3ドルの激安価格です。
フードコートなどのベトナム料理店で同じようなサンドイッチを買うと、大体5〜6ドルしますので、比較するととってもお得です。
上の写真にもあるように、サンドイッチ以外にもハムなどの肉加工品を売っているようですが、どれが何でいくらなのか全くわかりません。
常連っぽい中華系の客が来て買って行くのをたまに見かけます。
愛想のなさからもわかりますが、常連客以外にはあまり来てほしくないというスタンスなのだと思います。

肝心の味はとにかく美味しい

できたてのサンドイッチをいただきます。美味しい!
さて、肝心のサンドイッチの味ですが、これが本当に美味しいです。
パンは外側がサクサク、中がふわふわ。
パクチーや、大根と人参のあまずっぱいマリネがチキンやミートローフなどと相性ばっちり。
こんなに美味しくてたった3ドルなんて!と思わずにはいられません。
1つ食べるとほどよくお腹いっぱいになりますが、さっぱりしているので、もっと食べたくなってしまいます。毎日食べてもいいくらいです。
このお店を友達に紹介したら、その直後から2日間通って5種類のサンドイッチを全部食べてしまったなんてこともありました。一度食べると病みつきになってしまいます。

この怪しい店構えと愛想の無い接客を経験した後で食べると、美味しさがより引き立つように感じます。逆にこのサンドイッチの美味しさを経験すると、店構えの怪しさも、接客態度のそっけなさも愛おしく感じてくるようになります。

住所などお店の情報は以下の通りです。
なお、ダウンタウンから離れた Kingsway というところにも別の店舗があるようです。
機会があれば試してみたいと思います。

BaLe Sandwich Shop (Chinatown)
633 Main Street, #121
Vancouver, BC V6A2V4


Yelpのページで地図や口コミもチェックできます。