2012/10/24

TEDxVancouver 2012 に行ってきました

21日(日)、バンクーバーで開催された TEDxVancouver 2012 に行ってきました。
プレゼンテーションは後ほど動画で公開されますので、
今回はトークの内容には触れずに、参加してみて感じたことなどを書きたいと思います。




TEDってなんじゃい?という方へ

TEDとは、Technology, Education and Design の略で、1984年にアメリカのカリフォルニアで始まった、様々な方面で活躍する人たちがプレゼンテーションをするイベントです。
2006年からプレゼンテーションの動画がオンライン上で無料公開されたことにより
知名度が爆発的に上がったようです。
過去に登壇した中にはボノ(U2)、ビル・クリントン(元アメリカ大統領)やジミー・ウェールズ(Wikipedia創設者、Wikipediaの上の方に出てくる寄付金集めの広告「ジミー・ウェールズからのお願い」でおなじみですね)などの著名人が多くいます。
本家TEDはカリフォルニアで開催されており、出席する為には年間会員になる必要があるそうですが、TEDxVancouver のように「x」が付くものは、世界のそれぞれの都市で独自で運営されているものです。
日本でも過去に東京、大阪、京都、仙台、沖縄で開催されています。

夫が去年TEDxVancouverに参加して、とても面白かったということで
今年は夫婦で一緒に参加しようという運びになりました。

チケットは税込み$115とわりとお高めです。
売り切れちゃうかも!ということで、発売直後にインターネット経由でチケットを購入しました。
夫に2人分買ってもらおうとしたらなぜか1人1枚しか買えない仕様になっていました。
購入時「誰か招待しますか?招待する人のメールアドレスを入れてね」という画面が出てきたそうで、
先に購入していた夫から私宛にTED経由で招待のメールが届いていました。
まとめて買えないなんて、なんだかめんどくさいー!と思っていたのですが、実は理由があったことに後ほど気づきました。


朝から行列

さて当日、会場のOrpheum に9時前に到着したところ、既にものすごい行列が。。。
行列が会場のまわりを囲む勢いでした。
後ろに並んでいた人は「こんなに長い行列は2010年のオリンピック以来!」と言っていました。
バンクーバーオリンピックの時にはこの街にいなかった私からすればバンクーバーで見た行列の中で最も長い行列でした。
私たちが並んだ後も次々にやってくる人、人、人、、、相当な人気イベントです。

会場が美しい

20分ほど並んで受付をし、Orpheumに入ると、建物の美しさに目を奪われてしまいました。
それもそのはず、このコンサートホールはカナダのナショナルハリテージ(歴史的建造物)に指定されているのです。
シャンデリアや壁の細工ひとつとっても、どれも本当に美しく、しっかりとした造りです。
そして会場内ではパンやフルーツ、コーヒーなどの朝ご飯が無料配布されていました。
会場の天井と廊下
無料配布のランチ ケータリングの人たち大変そうでした。。。

座席への食べ物持ち込みは御法度、廊下におさまりきらなかった人たちは床に座ってランチ

ネームカード

今回のTEDxVancouverのテーマは「Confluence」川などの合流点を指す言葉です。
「2つの流れが合流し、より強い流れになる」という意味を持たせて、テーマとして使われています。
ということで、参加者1人1人のネームカードに、自分を招待した人の名前も併記してありました。
そう、チケットを購入する時にまとめて買えなかったのはこのためだったのです。


なんだか素敵ではありますが、誰からも招待されず、誰も招待せずに参加している人が一目でわかってしまうという点もあり、正直微妙かもしれないと思いました。
招待者と招待された人の名前が併記してある

感動しました

朝から夜まで1日中みっしりとプレゼンテーションを見続けるイベントなので、
参加者も疲れてくるのではと思っていましたが、
「面白い話聞きたい!」という人たちが集まっていて、会場には最初から最後まで熱気が溢れていました。

それぞれのトークはもちろん素晴らしかったのですが、なによりも、その場に居合わせて、会場の熱気を感じられたことが最も良かったと思います。
同じトークを聞くのでも、動画で見るのと、現場にいるのとでは感じるものがやはり違いますね。
カメラが入り、のちほど無料で公開されるとはいえ、やはりパブリックスピーキングはお芝居や音楽のライブと同様、生で見せるために作られるものだと思うからです。
それが最も顕著に感じられるのは、笑いや拍手のタイミングなど、自分(を含めた観客)の反応がダイレクトにスピーカーに影響するという点です。
当然スピーカーは観客の反応を見ながら、笑いが起きている時は少し間を置くなどして話し方を変えますので、
観客である自分は場の空気を作る一部であり、また、そのトークを構成する一部でもあるのだと実感できます。

「あとでタダで見れるんだから高いお金払って行かなくてもいいよ」という意見の方も多いと思います。
正直、私も実際に行ってみるまではそう思っていました。
しかし、参加してみて「絶対に来て良かった!チケット代以上の価値がある。」と思いました。
この辺は人それぞれだと思います。

トークはそのうち動画で公開されるので、今は詳しい内容などに触れるのはさけて、公開された時に改めて感想などを書きたいと思っています。

自分でもやってみたい

ところで、かっこいいプレゼンを見て、自分も何か話してみたくなってしまいました。
テレビのない我が家に、最近プロジェクターが導入されたので、映画やYouTubeを観るだけでなく、家で夫相手にプレゼンしてみようかなーと思います。
そのうち、友達を誘ってお互いにスピーチをするイベントを開くのも面白そうだなと思っています。英語の練習にもなりそうだし。


ところで夫は昨年開催されたTEDxVancouver 2011にも参加しており、その時の様子が非常に詳しくブログに書かれていますので、気になった方はそちらもご覧くださいね!!
 →→→ タコの擬態からバーニングマンまで!TEDxVancouver 2011 に行ってきたよ

2012/09/09

ソルトスプリング島へ行ってきました

久々の更新になりました。
前回のガリバルディレイク以降、こちらの企業に就職し、毎日慌ただしく過ごしていました。

さて、先週の金曜日からこの日曜まで、ミシガン在住の友達が休暇を取ってバンクーバーに遊びに来てくれていました。
せっかく友達が来ているのでどこかに出かけよう!ということで、以前から行きたかったソルトスプリング島に週末を利用して行ってきました。
私と夫は平日出勤、友達は日曜の朝早い飛行機でミシガンへ帰る、というスケジュールのため、時間の制約があり、今回の旅は金曜の夜にバンクーバーを出発、ソルトスプリング島で一泊し、マーケットでお買い物して、ランチを食べて、午後のフェリーで帰って来るという弾丸ツアーでした。
私たちは車を持っていないのであまり島の中をあちこち移動できませんでしたが、短い時間でもとても楽しく過ごせました。

ソルトスプリング島とは

ソルトスプリング島は、バンクーバーのあるカナダ本土と、ビクトリアのあるバンクーバー島の間にある島々(ガルフ諸島)の一つです。
人口はおよそ1万500人、そして夏期には島へ長期滞在する人たちが多いため人口が倍になると言われています。
この島は、年間を通して温暖な気候に恵まれ、漁業、有機農業や芸術の島として知られる一大観光地です。
同時に、とても興味深い歴史を持っている島でもあります。

ソルトスプリング島の歴史

元々ソルトスプリング島に住んでいたのはコースト・セイリッシュ族という先住民族でしたが、1780年代にヨーロッパから持ち込まれた疫病によってほとんどが絶えてしまったと言われています。
19世紀にはアメリカ人やイギリス人が移住を開始し、労働力としてハワイから出稼ぎに来て、そのまま移住する人も少なからずいたそうです。
1850年代後半には多くのアフリカンアメリカンが、人種差別から逃れるためにミズーリからカリフォルニアを経由し渡ってきましたが、その後多くが法改正などをきっかけにアメリカ合衆国へ戻ったそうです。現在では島に残っているアフリカンアメリカンの家庭は僅かだということです。
また、漁業や農業を営んでいた日系人も住んでいたという記録が残っているのですが、日本による真珠湾攻撃をきっかけに、カナダ内陸の収容所へ強制収容され、それ以降島へ戻ってくることはありませんでした。
1960年代、ベトナム戦争の時代には、反戦思想によって兵役拒否を行ったいわゆる「ドラフトドジャーズ」と呼ばれるアメリカ人が島へ逃れてきました。
彼らはこの島に当時アメリカ西海岸で流行していたヒッピー文化(オーガニック、マリファナ、LSD)を持ち込みました。
古くから多くのマイノリティを受け入れてきたという島の歴史に、このヒッピー文化が加わり、現在の芸術や農業中心のソルトスプリング島が作り上げられました。
今では島のあちこちにアーティストたちがアトリエを構え、オーガニックなライフスタイルに憧れて移住してきた人たちによって農場やレストラン、スパ、B&Bなどが営まれています。


名物 サタデーマーケット

春から夏にかけてソルトスプリング島で毎週土曜日に行われているサタデーマーケットには「make it, bake it, grow it」→ 自分たちで作ったものや育てたものを売ろう、というルールがあります。
島のあちこちからアーティストやファーマーなどが集まって、自分たちで作った工芸品、栽培した野菜、天然酵母のパン、オーガニックの手作り石けんなどが販売されています。


いざソルトスプリング島へ

1人$100程度払えば、水上飛行機でバンクーバーからソルトスプリング島へ30分で行けます。フェリーだともっと時間がかかりますが、1人$20しませんので、私たちはフェリーで行ってきました。
夜8時半発のフェリーに乗って、カフェテリアで夕日を眺めながら食事をして、島に到着したのは10時すぎでした。
フェリーを待っている間の1枚。

フェリーの中から眺めた夕陽

そこから地元のタクシーに乗ってホテルへ。チェックインの時に対応してくれたフロントマン(ゲイっぽいなーという雰囲気)曰く「島にはいろーんなアトリエや農場があるけど、ぜーんぶマーケットで買えるから大丈夫!」とのこと。このマーケットは島の観光の目玉のようです。
「朝ご飯は7時から食べれるからね!」と言われたので、ホテルのレストラン内にあるバーでローカルのワインを一杯だけ飲んで、部屋に戻って(なぜか)みんなでストレッチをした後、速攻で就寝しました。
宿泊したのは港が見える大きなバルコニーのついた部屋でしたので、朝にはきれいな朝焼けが見れました。
ホテルのバルコニーからみた朝焼け

バルコニーでハーブティーを飲んだ後はレストランのパティオで朝ご飯を食べました。
このホテルは農場も経営しており、レストランで出る食べ物はほとんど自分たちの農場で作ったものだそうです。
私が食べたのは Breakfast Bun というパンに目玉焼きを挟んだもの。
付け合わせのジャガイモはとっても美味しかったけど、食べきれずに残してしまいました。

朝焼けに照らされた朝食。とても美味しかったですが、ボリュームが多過ぎました。

マーケットへ



サタデーマーケットの様子
ホテルを早々にチェックアウトして、歩いてマーケットへ向かうと、朝9時前にもかかわらず既に大勢の人たちで賑わっていました。
ガイドブックなどを見ると「サタデーマーケットは午前中に行った方が良い」と書かれているのが納得です。
マーケットのすぐ裏の公園では楽しそうに楽器を演奏する人たちがいたり、ヨガをしている人たちがいたり、芝生でゴロゴロしている人たちがいたりと自由に過ごしていました。

公園でマリンバを演奏する人たち

マーケットでローストしたてのパプリカをいただきました
あるファーマーのお店では、その場でローストしたパプリカを売っていました。
写真を撮っていなかったのですが、ちょっと変わった機械を使ってローストしていました。
このパプリカをローストする技術を習得するにはかなりの年数の修行が必要なそうで、私たちが食べたものをローストした人はもう10年以上経験を積んでいるとか。。。
赤いのは甘く、緑色のものは辛く、いずれもジューシーでとっても美味しかったです。
このペッパーの他、オーガニックの石けん、バスソルト、チャイ用のスパイスミックスなどを購入したり、ランチにパスタを食べたり、芝生でゴロゴロしたりと楽しく過ごしました。

偶然ですがプライドパレードもありました

ところで私たちがソルトスプリング島を訪れた日は、偶然にもソルトスプリング・プライドの日でした。
土曜日は午後1時からプライドパレードがあり、そのパレードを見てから帰ろうということに。
バンクーバーと比較すると小規模ですが、それでも小さな町のメインストリートが観客でいっぱいになり、大賑わいでした。
しかし、さすがに人口の少ない島だけあって、地元の人たちはお互いがお互いを知っているような状況。道ばたからパレードを歩く人に声をかけてハグをして挨拶という様子を何度も見かけました。
パレードが終わった後、路上の一部がダンスフロアのようになっていたので、そこで見学していたら、仮面をつけた男性に「ハッピープラーイド!!!」と肩を叩かれました。
よく見ると、その人、私たちが宿泊したホテルの受付をしてくれたフロントマンでした。
また、小さな子供を連れた家族や、ティーンエイジャーもたくさん参加していて、この島の地域ぐるみのイベントなんだなーというのが伝わってきました。


ソルトスプリングのプライドパレード

地元バスもレインボーフラッグを掲げてプライドをお祝い

パレード後ダンスフロアと化した路上で踊っていたフルーツの女王

 そしてフェリーでバンクーバーへ

プライドを楽しんだ後はすぐにフェリーでバンクーバーへ戻りました。
帰りのフェリーはソルトスプリング島の他に3つの島を回るので、3時間ほどかかりました。
行きのフェリーでは夕日や星空を満喫しましたが、帰りは日没前なので、ガルフ諸島の美しい島々と、綺麗な海と空を楽しみました。

歩いてフェリーに乗船

フェリーのデッキから

有名なソルトスプリング島のコーヒーはフェリーの中でも飲むことができます

美しい自然を楽しんだ後でバンクーバーのダウンタウンに帰って来ると、寂しいようでいて、なんだか少しほっとする気持ちもありました。
今回は時間の限られた弾丸ツアーでしたが、島の中心部を楽しんだので、次回はトレイルコースを歩いたり、キャンプしたり、カヤックしたりとアウトドアで色々楽しんでみたいなと思いました。












2012/08/13

息を飲むほど美しい!ターコイズブルーの湖に行ってきました

昨日の12日(日)、いつもハイキングに連れて行ってくれる先生、7月まで通っていた翻訳講座でクラスメイトだった友達と私の3人で、Garibaldi lake (ガリバルディ・レイク)へハイキングに行ってきました。

息を飲むほど美しいだなんて、また大げさなこと言っちゃって〜と思われるかもしれませんが、いや、本当に綺麗でびっくりしました。
とてもiPhoneのカメラでは写しきれない美しさで、この日ばかりは、良いカメラが欲しい!と思ってしまう程でした。

ターコイズブルーの湖 奥に見えるのはスフィンクス氷河

思ったよりも楽なトレイルだった

今回行ったトレイルコースは、駐車場から片道9km の山道を登って湖へ、そして湖畔でお弁当を食べて休憩した後また同じ道を戻る、というコースです。
先生からは「グラウスを登り切らない限りガリバルディには連れて行けない」と言われていたので相当キツい山登りを想像していましたが、グラウスに比べると傾斜はずっと穏やかで、案外楽に登ることができました。
参照: グラウスマウンテンに(何とか)登ってきました

日頃からハイキングやジョギング、その他スポーツを楽しんでいる方にとっては、息が上がることなく快適に登れるコースだと思います。

景色はしばらくずーっと同じ

快晴で日差しのきつい日でしたが、トレイルはずっと森の中なので日陰で、体力を奪われなかったのも良かったです。
ただ、登り始めからずっと森の中なので、先生的には「つまらない」とのこと。
いくつかの小川を越える以外は比較的同じような景色が続き、確かにつまらないかもしれません。
登りがきつくないこともあって、先生にはイマイチ物足りなかったのかもしれません。

ずーっとこんな感じの道を登る

途中、絶景ポイントあり

さすがに同じような景色の中を延々登っていると、歩き疲れてきます。
6km 地点を少し過ぎた頃、トレイルを少し右に別れて View point へ進む道があったので、寄り道してみました。
その道の先にあったのは、森を抜け、大きな岩の上からウィスラーの雪山が見渡せる絶景ポイント。この景色を眺めて疲れがぶっ飛びました。

View point からの景色

さらに進むと、木々の間から湖が見えてきます。自然の水の色とは思えない鮮やかな色合いです。

木々の間から鮮やかなターコイズブルーの湖がのぞく

湖が見えてくると、早く湖畔につきたい一心で自ずと歩みが早まります。
View point を過ぎてから湖畔までの 2.5km はあっという間でした。
さすが人気トレイルだけあって登山客もたくさんいましたので、私たちは人気のない岩場を選んでお弁当を食べたり、先生が持ってきた「水を濾過する道具」で湖の水を濾過して飲んだりと楽しみました。

靴を脱ぎズボンをロールアップして膝のあたりまで水に浸かってみたら、8月とはいえさすがに氷河から流れ込んだ水だけあって、足が痛くなるほど冷たかったです。
泳いでいる人も数名いましたが...ちょっと心臓に悪そうです。
おだやかな湖

まるで絵の具のような色合い

鮮やかな色の秘密は氷河にあり

ところで、この湖はなぜこんな鮮やかな色なのかというと
氷河から「Glacial flour (岩粉)」という、氷河の浸食作用によって粘土状に細かく砕かれた岩が流れ込んでいて、屈折現象によって日光の青色系統のみを反射するからなのだそうです。
実際の水は透明なのですが、光の反射でこのような鮮やかな色に見えているということなんですね。

ガリバルディのように鮮やかなターコイズの湖は、ロッキー山脈の中にもありますし、他にも氷河の流れ込む湖や川などで同じような美しい色合いを楽しむことができるようです。

写真を撮ったのが iPhone のカメラだからというのもありますが、この湖の美しさは写真に収められる範囲では伝えきれません。
もしもバンクーバーを訪れる機会があれば、ぜひガリバルディ・レイクを実際に訪れてみてください。本当にオススメです。

こちらのサイトから日本語でトレイルの情報が参照できます。
▼もっと遊ぼう!もっと歩こう!GOGO Vancouver   http://www.gogovan.jp/recommend/middle/garibaldi.html

2012/08/06

Vancouver Pride Parade 2012


8月5日(日)バンクーバーではおそらく年間で一番盛り上がるイベントであるプライドパレードが開催されました。

プライドパレードとは

ご存知の方も多いと思いますが、プライドパレードとは
レスビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーなどの
セクシュアルマイノリティの文化を讃えるイベントであり、権利獲得を求める運動でもあります。
世界の色々な都市で開催されているイベントですが、
東京では、運営の難しさから開催される年とされない年があるようです。
また、モスクワではパレードに対して暴力的な弾圧が行われるなどしており、
現状では、どの都市でも開催できるというわけではありません。

バンクーバーのあるブリティッシュコロンビア州では、2003年に同性婚が合法化されています。
その2年後、2005年にはカナダ全土で同性婚が合法化されました。
同性婚の合法化だけがセクシュアルマイノリティの権利を認めるものではありませんが、
カナダは世界各国の中でもゲイフレンドリーな国として認識されています。
参照 Gay/Gender Issues: Top 10 Gay Friendly Places to Live

ということでパレードを見に行ってきました

地元紙 The Province の記事によると、今年の来場者予想は65万人、
さらにパレードに前後して行われる24の関連イベントと合計した経済効果は
およそ7億ドルにのぼると予想されていました。
参照 The Province: Pride ‘party weekend’ expected to draw 650,000 people this year

うーん、ものすごい規模ですね。
そのパレードが家の近所を通るというので、これは見にいくしかないと
日焼け止めをしっかりと塗って出かけてきました。

海沿いの道路近くの歩道から見たので、雲一つないスキッと晴れた空と、
きれいな海を背景にパレードを楽しんできました。

銀行、スーパーマーケット、ドラッグストア、テレビ局などのスポンサーや
市民団体、キリスト教会、学生生協、教師の団体、弁護士とロースクール学生の団体など
本当にたくさんの団体がパレードしていました。
今年のミス・ユニバース カナダ大会で一度、性適合手術を受けていることを理由に
参加資格を剥奪され、その後に参加が認められてニュースになったジェナ・タラコバさんも
参加していました。


パレードはおよそ3時間ほど続いていたようですが、1時間以上も直射日光の下にいたので
疲れてしまい、途中で断念し、家に帰りました。
家の周りも、ものすごい人・人・人...マクドナルドの混雑ぶりも凄かったです。

ティーンエージャーの団体

パレード開催当日は横断歩道も虹色にペイントされた


さまざまなプラカードを手に歩く参加者

キリスト教の団体は
「キリスト教会がLGBTコミュニティを傷つけたことを心からお詫びします」
と書いたバナーを持って登場
アーニーとバート、よく見ると結婚指輪をしている

女王(のコスプレをした開催委員長)

Vogue

全くかわいくない警察のマスコット


全くかわいくない警察のマスコット その2
ミス・ユニバース カナダ大会に出場した ジェナ・タラコバさん(トランスジェンダー)

LGBTQ Seniors Have More Fun! 


緑の党カナダ
医療用大麻の団体

ポリアモリー(複数の相手と同時に恋愛すること)の団体

地元のホッケーチームも参戦



移民・難民のグループ
他にも、以下のようなサイトで写真をたくさん見ることができます。
The Province
http://www.theprovince.com/life/Celebrating+2012+Pride+Parade/7045034/story.html

Go to Van (日本語サイト)
http://gotovan.com/photo/slideshow.php?





2012/06/27

UBCのキャンパス内を歩いていて、気づいたらヌーディストビーチにいました...

天気が良かったので今日もトレイルに行ってきました。
今日は山登りではなく、University of British Columbia (UBC) のキャンパス内にある Pacific Spirit Regional Park というトレイルコースのある公園に行ってきました。

まずは海を目指して

家からバスを乗り継いで、バス停から2キロほど歩くと公園の入り口に到着、無料で配布されている地図を1部もらって歩き始めました。
コースがたくさんあるので、どう歩こうか迷いましたが、端まで歩くと海にぶつかるので、せっかくだから海まで行くことにしました。

入り口付近、小学生がサイクリングを楽しんでいた。

森の中をいくつものトレイルが通っているこの公園は、自転車で通れる道や犬を放せる道などもあり、大型犬を連れて散歩しているマダムがたくさんいました。
トレイルコースは整備されていて、所々に案内板があるので、森の中とはいえ道に迷うことなく歩けました。
晴天で湿度の低い爽やかな気候なので、緑の中を歩くのが本当に気持ち良かったです。
すれ違う人たちも朝の散歩を楽しんでいるようで、皆さんすてきな笑顔で挨拶をしてくれます。
こんな感じの道をずっと歩いて行く。

今回は山ではなく平地なので、特に苦しくなることもありませんでした。
途中、車道を何度か渡って、教会や学校の横を通ったりしながら歩いていると、徐々に人が少なくなってきて、ついに自分の前後に誰もいなくなりました。
この環境を独り占めは贅沢だなーと思いながら歩いて行くと、急に目の前が開けて、車道とその向こうに海が見えてきました。
歩き始めて1時間半程度で目標の場所までたどり着きました。
海に着いた。向こうに見えるのはウエストバンクーバー。

到着したのは Foreshore Park という公園。
小さな駐車場があり、そこからビーチに降りると、ビーチサイドにテーブルやベンチが並んでいました。
少し歩いていくと、トレイルコースから走ってきた人に追い抜かれました。
バンクーバー周辺では、トレイルに行くとトレイルランナーをよく見かけます。
私は歩くのがやっとな山道をスタスタと走る、かなりアスリートな人たちです。
今日の公園くらい平坦な道だったら、私も走れるかも...なんて思いました。

バス停を目指してビーチを歩くことに

さて、ここまで来たものの、近くにはバス停がありません。
Pacific Spirit Regional Park の入り口でもらった地図を見ると、ビーチからUBCのキャンパス内に向かって「Trail 3」「Trail 4」とトレイルコースがあります。
現在地の Acadia Beach から歩いて、Trail 6 からキャンパス内に向かうと、バス乗り場に近いということがわかりましたので、しばらくビーチを歩くことにしました。


ビーチといっても、大きめの石がごろごろしていて、なかなか歩きにくかったです。
頑張って歩いて行くと、さっき私を追い抜いていったトレイルランナーがいました。
休憩かな?と思ったのですが、なんだか周りをキョロキョロ見回している様子。
その後、突然ランナーが服を脱ぎ始めました。
汗をかいたから着替えるのかなと思ったら、なんと全部脱いで裸になってしまいました。
え、え、な、なんで全裸に...

とにかくびっくりして、ビーチの横にあるトレイルコースに入ろうとしたところ、写真のような看板が立っていました。
そういうことだったのか。

ビジターガイドライン
Pacific Spirit Regional Park内のヌーディストビーチ、Wreck Beach へようこそ。
利用にあたっては、他の訪問者のプライバシーを尊重してください。
許可を得ない写真撮影や、じろじろ見つめるなどの行為は行わないでください。
火気、飲酒は厳禁です。
残していいのは足跡のみ、ゴミは持ち帰ってください。

ああ、、、

UBCのキャンパス内に Wreck Beach というヌーディストビーチがあるというのはLonely Planet などのガイドブックにも載っているので有名な話です。
しかし、私のいる場所は地図上では Acadia Beach と書いてあり、別のビーチなので、ヌーディストエリアではないと思っていたのですが...。
思っていたよりもヌーディストエリアは広かったようです。
慌てて地図を見直しましたが、地図には Wreck Beach の記載がありません。
そこで iPhone を取り出し、foursquare (iPhoneアプリ。GPSを使ってアプリ内の地図上に登録された場所に行ったことを記録できる。)を開いてみると、なんと、私の目指していた Trail 6 のある場所が Wreck Beach でした。

これはとんでもない所に来てしまったのでは。焦りました。
しかし、引き返すにも、元来た道をたどるしかないし...
なんだか得体の知れない所へ来てしまったという恐怖感とともに、この先は一体どうなっているんだろうという好奇心も感じ始めたのも事実です。

とりあえず、今まで読んだガイドブックに書いてあった
「ヌーディストビーチといっても全然いやらしい雰囲気はない。平和で、みんな裸で自然との一体化を楽しんでいる。その場にいると服を着ているのが不自然に思えてくる。」
というような説明を思い出し、日本の山の中にある混浴露天風呂みたいなものだろう、などと思い直し、このまま進んでみることにしました。

しばらくは石だらけ、ヌーディストはチラホラ

歩き続けてもしばらくは石だらけのビーチでした。
数10メートルおきくらいに人がいましたが、服を着てお弁当を食べている人だったり、全裸で読書している人だったり、様々です。
最初に見たヌーディストのトレイルランナーは20代後半〜30代の男性でしたが、50代60代くらいの男性や、20代くらいの若い女性など、見かけたヌーディストの年齢層は広かったです。
ヌーディストの横を通るたびに、恥ずかしさと緊張で、じろじろ見つめるどころか、帽子を深くかぶって足下ばかり見ながら歩き続けました。

見た目のいかついヌーディストに話しかけられてビビる

しばらく歩いていると、ヌーディストの1人に話しかけられました。
脚と腕に立派なタトゥーが入って、スキンヘッドの、ちょっと怖そうな人...全裸なのにサングラスをしています。
「今何時か分かる?」と聞かれたので時間を教えると、「そうか、まだ時間はあるな。」と。そして「天気はいいけど脱ぐと寒いんだよね〜、もっと日向に出ないといけないかな」など。。
私はかなりビビっていたので「そうだよね、寒すぎるよ」など適当に相づちを打つことしか出来ませんでした。
しかしこの人、その後も何度かすれ違い、その度に「おお、また会ったね!」などと本当に感じよく挨拶をしてくれました。寒かったのがこたえたのか、しっかり服は着ていましたが。

それから40分ほど歩いた頃、徐々にビーチの石が少なくなり、砂が見えてきたと思ったら、不思議な光景が見えてきました。
たくさんの人で賑わうビーチに、色とりどりのテントや布が海風にはためいています。
そこが Wreck Beach だとすぐにわかりました。
テントや布がはためいている。

これぞヌーディストビーチ

平日の昼間だというのに、思ったよりも人がいました。
もちろん私の家の近くにある English Bay のビーチなどと比べたら、人の数はぐっと少なく、静かですが、これまで通ってきたビーチとは比べ物になりません。
全裸でリュックを背負ったハイキング風の人たちや、トップレスで寝転がる女性たち、服を着て帽子もしっかりかぶっている人たち、水着姿の親子連れ。
一番多かったのは50代くらいの男性です。
確かにいやらしい雰囲気はありません。全員が裸なわけでもなく、思い思いの服装で、それぞれに海を楽しんでいる様子です。
クーラーボックスを抱えてビールなどを売り歩いている人もいます。
バンクーバーでは公共の屋外でお酒を飲むことは禁止されているため、通常はビーチでお酒を飲むことができません。
しかし、このWreck Beach にはライフガードがいないこともあって、そういった商売をしてしまう人もいるようです。

この布は売り物。風に吹かれてはためく様子がとても綺麗だった。
ヌーディストビーチなんて、どんなところか分からず、ちょっと怖いなあと思っていたのですが、実際に行ってみて感じたのは、やはり混浴露天風呂と共通するものがあるんじゃないかということです。
混浴露天風呂は、お風呂なので裸になることが当然です。
他に人がいようがいまいが、銭湯や温泉といった文化が身に付いた日本人にとっては多少恥ずかしかったとしても、その場で裸になることはおかしな行為ではありません。
でも、そういった文化を知らない人からすると、屋外にある風呂に全裸で入るというのはかなり抵抗があると思います。
それと同様に、おそらく、ヌーディストビーチの文化に慣れている人にすれば、そこで裸になるのはおかしなことではなく、嫌らしいものでもないのだろうと思いました。

豊かな自然に恵まれたバンクーバーにいて、自然とともに暮らすという価値観を大切にする人たちには、喧噪から少しだけ離れた場所で、裸になって思い切りビーチを満喫するというのが日本人にとっての露天風呂感覚なのかなーと思ったのです。
私は裸にはならないと思いますが、またゆっくり行ってみてもいいかもしれないと思いました。

ところで、この後無事に Trail 6 からバス停に向かい、バスに乗って帰宅したのですが、この Trail 6 は単なる階段で、登り終わるとすぐ UBC のキャンパスに出ました。
しかも、今は夏休みなので、キャンパスのあちこちが工事中でした。
ビーチはあんなにも世間から離れた空間だったのに、一気に現実に引き戻されました。
大学の中にこんなビーチがあるって、なんだか凄いですね。








2012/06/25

オリンピック会場になったスキー場を登ってきました

またハイキングに行ってきました。
今回は、勝手に心の中でハイキングの先生と呼んでいる友人と一緒に、
Black Mountain という山に登ってきました。

Black Mountain は、Cypress Provincial Parkという自然公園の中にある山の1つです。
Cypress Provincial Park はなんと3000ヘクタール以上ある公園です。
3000ヘクタールと言われてもピンと来ないかもしれませんが、
東京で言うと稲城市・多摩市・八王子市・町田市にまたがる多摩ニュータウンと同じくらいの面積です。
この Cypress のスキー場は2010年の冬季オリンピックで、
スノーボードとフリースタイルスキーの競技会場になりました。
そんなところを歩いて登ってきました。

予定していたトレイルコースにたどり着けず

当初はスキー場ではなく、 Eagle Bluffs というトレイルコースに登る予定でした。
先生が車で連れて行ってくれることになったので、初心者向けではなく、
少しだけレベルの高いところに行こうということでコースを選びました。
ところが、こちらの道路は標識も少なく、なんとなーくこっちの方かな?と
思う方に行ったらスキー場についてしまいました。
地図で確認したところ、スキー場の方からでも Eagle Bluffs のコースに含まれる
Black Mountain に登れるということがわかったので、今回はスキー場から登ることにしました。

行けども行けどもスキー場

雪が溶けたあとのスキー場ってこんな感じなんですね。
いざ登り始めると、雪溶け後のスキー場なので当然ですが、
ただっぴろい砂利道がひたすら続きます。歩いている人も誰もいません。
そのうち景色が良くなるかなーと期待して登りましたが、
本当に、行けども行けどもスキー場です。
しかも、先生のペースについていったらすぐに息が上がってしまい、
登り始めて15分くらいで苦しくなってしまいました。

呼吸が乱れてきたので、休憩して息を整えましたが
「ここを乗り越えれば楽になる、立ち止まらないでゆっくり進んだ方がいい」と先生に励まされ、
先生にもゆっくり登ってもらうことにしました。
最初のペースが速いとバテやすく、長く歩くためには
最初はゆっくり行った方がいい、というのはジョギングと同じですね。

雪の中を進む

進んでいるうち、空気がひんやりしてきたなと思ったら雪が見え始めました。
もう6月も末なので、溶け残っている雪は固くジャリジャリとしています。
でも遠くの方に海が見えてきて、この先に進んだらきっと
すごく綺麗な景色が見れるだろうと期待が膨らみます。
スキー場から見える海
雪の中とはいえ、歩いているとどんどん暑くなってくるので、汗だくです。
途中から上着を脱いで半袖で歩きました。
しかし、さすがスキー場。登れば登るほど雪は深くなってくるし、
傾斜もきつくなっているような...。
普通に登ると雪ですべってしまうので、足を逆八の字にして、
一歩一歩靴を雪に差しこみながら登っていきました。
そんな登り方をしていたので普通の山道を登るよりも筋力を多く使ったように思います。

雪に足を取られないように登ったスキー場
きつくて写真を撮る余裕がなかったのですが、途中、立ったままでは登れずに
雪に手をついてよじ登ったところもありました。
登り始めた頃と比べて息苦しさもなくなって楽になっていたので
ひたすら目の前の雪を登ることだけ考えながら進みました。

頂上についた!けど...

無我夢中で登っていたら、頂上につきました。
頂上からは綺麗な景色が見られるだろうと期待していたのですが、
頂上から見た景色。
ご覧の通り、真っ白です。
山の頂上がすっぽりと厚い雲に覆われていて、何も見えませんでした。
雲というより、濃霧のようでした。
先生はこの天気にがっかりしていました。
でも私は、頂上まで来たという達成感だけで満足でした。


山を降りるのはあっという間

さて、頂上まで来たので山を降ります。
雪道なので滑らないように気をつけて進んでいましたが、
前方を行く先生がスキーのように靴で滑りながら降りていたので
私もおっかなびっくり真似をすることにしました。
スキーもスノーボードもさほど得意でない私は、斜面を滑るのが最初は怖かったのですが
滑っていくうちに段々楽しくなってきました。
楽しく滑っているうちに、あっという間にふもとについてしまいました。

雪山からビーチへ

下山後のランチは近くの Horseshoe Bay というところで食べました。
バンクーバー島などへ行くフェリー乗り場があり、その周辺には公園やレストランがあってちょっとした観光地になっています。

ランチの後は、山頂の景色に満足できなかった先生の提案で、
 Horseshoe Bay からすぐ近くにある Whytecliff Park という海浜公園へ行きました。
Whytecliff Park

天気の良かったこの日は、水着姿でビーチを満喫している人もチラホラいました。
さっきまでスキー場で雪山に登っていたのに、もうビーチにいるというのは不思議な感覚です。
バンクーバーの観光案内によく「1日のうちにスキーとゴルフができる」と書いてあるのを思い出しました。
これも海と山に囲まれたバンクーバーならではの魅力かなと思います。

Cypress から見たバンクーバーの景色